スペインの首都マドリードにある「サンミゲル市場」は、従来の市場とは一味違う、ガストロノミー(美食学)を追求したおしゃれな美食市場です。スペイン中のあらゆる食材が集まり、スペイン料理のハイライトを気軽に体験することができます。
100年以上の歴史ある市場から生まれ変わったガストロノミーマーケット
サンミゲル市場は、マヨール広場から徒歩2分。観光の合間に立ち寄れる便利な場所にあります。スペイン中の食材が集まり、大勢の地元民や観光客で活気に溢れている市場です。1916年5月にオープンして100年以上の歴史のある市場は、2009年5月にマドリードで初めてのガストロノミーマーケットとして改装され、鋳鉄建築のクラシカルな外観を活かした現在の姿に生まれ変わりました。ガストロノミーとは、料理を中心に歴史や文化的要素を考える学問のことで、日本語では美食学と訳されます。サンミゲル市場は、スペイン料理の本質を体現していて、街のガストロミーの殿堂とも言われています。市場というよりも、まるでスペイン国内の美味しいものを集めたフードコートのようで、スペイングルメを気軽に楽しめます。
魅力溢れるスペイン各地の美食とフォトジェニックなタパス
市場の中は、野菜や果物だけではなく、スペイン各地の美食で溢れています。スペインの食を代表するワインやイベリコ豚の生ハムなどを売る専門店やスタンドはもちろん、テイクアウト用の惣菜を売るデリカテッセン、種類が豊富なスパイスやデザートなどあらゆるものが手に入ります。特に注目すべきは毎日ガリシアから送られてくる生牡蠣・マテ貝・エビなどの新鮮なシーフードです。それらをふんだんに使ったパエリアなど、本場のスペイン料理も堪能できます。
盛り付けが見事なタパスは、フォトジェニック。食べるだけでなく、何が売られているのかをガラス越しに見ながら散策してみるだけでも、十分に楽しめるでしょう。
気軽に楽しめるスペイン産スパークリングワイン「カバ」
スペインのお酒を楽しみたい方には、ワインもおすすめです。特に「カバ」と呼ばれるスペイン産スパークリングワインは、シャンパンと同じ伝統の製法で作られ、世界中のワイン愛飲家からも選ばれています。一部のワインスタンドではグラスワインも販売しているので、その場で楽しむことも出来ます。
お好みのものをイートインコーナーに持ち寄って
市場の中心には、購入したものを飲食出来るイートインコーナーもあります。小皿料理のタパスやイベリコ豚の生ハム、トルティージャやビールなど、お好みのものをあちこちのお店で購入し、イートインコーナーに持ち寄って食べることもできます。特に食事時間帯は活気があって混んでいるので、テーブルの確保が難しくなります。イートインコーナーを利用されたい方はスペイン人の食事時間(おおよそ13時~15時、20~22時)を避けることをおすすめします。
おすすめはワインとフルーツで作られたサングリアと、オリーブのピンチョスです。ピンチョスは生ハムやオリーブなど色々な食材を爪楊枝や串に刺してまとめたものです。手軽に食べられるサイズですから、小皿料理のタパスと組み合わせて軽めのランチにいかがでしょうか。
スペインの美食をおしゃれに楽しもう
サンミゲル市場は、 マドリードの中でも是非訪ねてほしいおすすめの場所の1つです。単なる市場の枠を超えて、建物全体がまるでモダンでおしゃれなバル(スペイン式バー)のようで、スペインの食の魅力が凝縮されています。お酒とタパスを片手に地元の人のようにスペイン風に楽しむのも旅の良い思い出となるでしょう。サンミゲル市場で、スペインの美食と文化を気軽に楽しんでみてはいかがでしょうか。