マドリードのシンボルで、サッカーチーム「レアルマドリード」が優勝した時に選手やファンが集うことでも有名なシベレス噴水があるシベレス広場には、ひときわ大きく華麗な宮殿がそびえたち目を奪われます。ここが市庁舎だということにも驚きますが、庁舎内には文化スペースやおしゃれなレストランやバーがあり、マドリード市内を一望出来る展望台まである魅力的な場所です。
白いファザードの市庁舎「シベレス宮殿」とは
マドリードの象徴的な建物であるシベレス宮殿は、シベレス噴水の後ろにそびえ立つ真っ白で壮麗な建物です。1919年に中央通信郵便局として建てられ、かつてはコムニカシオネス(通信)宮殿と呼ばれていました。2007年にはマドリード市庁舎がここに移転され、その後2012年に名前もシベレス宮殿に変更されました。
内部は無料で見学できます。内装は解放感ある吹き抜けで、天井に施されたマドリード市の紋章の入ったステンドグラスも美しく目を見張ります。階段部分の壁にはスペインらしくタイルが使われた装飾も見られます。無料部分だけでも見ごたえがあるのですが、やはりお天気の良い日の展望台は必見です。眺めの良い展望台に行くためには、建物正面の右手にあるチケット売り場で時間を指定して、入場料を払います。30分毎に入場時間が指定されるので、時間が来たらエレベーターで6階まで登り、さらに8階の展望台までは階段で上がります。
屋上から360度のマドリードの絶景が楽しめる市庁舎展望台
マドリード市360度のパノラマが楽しめる地上70mの展望台です。マドリードを紹介する写真でよく使われている目抜き通りグランビアとアルカラ通りの2つの道が合流する三角州もここから確認することができます。この三角州は100年以上の歴史を持ち、ブランド店やデパート、劇場などが並びマドリードの「ブロードウェイ」と呼ばれるグランビアの起点となる場所です。
展望台をぐるりと周ると、官公庁や大使館などの高層ビルが集まるカステジャーナ大通りや、マドリードの中心部にある緑のオアシス、レティーロ公園が見えます。上から街を見下ろすと、歴史的な建造物や近代的な建物だけではなく、いかにヨーロッパの大都市であるマドリードが緑あふれる美しい街であるかを感じられることでしょう。マドリードの街は、あまり背の高い建物がないので70mの高さからでも十分に眺望を楽しむことができます。手すり部分にはマドリードの地図が表示されているので、ご自身がどの方向を見ているかすぐに分かります。
美食体験ができる「レストラン・パラシオ・デ・シベレス」
展望台とともにお勧めなのが、レストラン・パラシオ・デ・シベレスです。6階にあるこちらのレストランは市庁舎の中にあるレストランとは思えない驚きのクオリティの食事を提供しています。いわゆる「ガストロノミーレストラン」という、シェフがテクニックを駆使してそれぞれの美食学(ガストロノミー)を追及し作り上げるお料理をいただけるレストランです。
このレストランをプロデュースするシェフはアドルフォ・ムニョス氏です。スペイン国内で受賞歴があり、名実ともにスペイントップクラスのシェフは、マドリード近郊の古都トレドの出身です。料理の一部には新鮮なトレドの自家製野菜も使われています。ムニョス氏が手掛けるのは伝統的な料理をベースにしたモダンなスペイン料理です。ワインの種類も豊富なので、是非お料理にあったお勧めのワインを選んでもらって食事と共に楽しんでみてください。
テラーサ・カクテルバー・シベレスを楽しむには
レストランと同じく6階には「テラーサ・カクテルバー・シベレス」があります。シベレス噴水を見下す位置にあるテラス・バーです。こちらはワインやカクテルなどのお酒だけではなく、コーヒーやデザート類も提供されているので、観光の合間に休憩として利用することもできますし、軽食メニューもあるのでブランチやランチも楽しめます。またディナーの後に美しい夜景を眺めながら一杯、と色々な楽しみ方ができます。
テラス・バーには最低支払い料金が設定されていて(2021年5月現在6ユーロ)、入店時に最低料金の支払いをしますが、その時に受け取ったチケットを最後の会計時に提示すると合計金額から差し引いてくれるシステムとなっています。
思わず入ってみたくなる!ため息が出るほどきれいな建物
まさか市庁舎として使用されているとは思えないほどゴージャスなシベレス宮殿。思わず吸い寄せられるように入りたくなります。市庁舎内部は建物として見るだけでも価値がありますし、展望台まで登れば上から見渡せるマドリードのとっておきの景色を楽しめます。レストランやバーでは美味しいスペイン料理やドリンクを堪能できます。シベレス宮殿は忘れられない思い出となることでしょう。是非シベレス宮殿を訪れてマドリードを満喫してください。